現在, 島根県中山間地域には, 全国に先行してかつての過疎現象期に匹敵する人口の急減局面が訪れている。このような地域構造の転換に対しては, その進行状況を的確に把握し, インフラ整備や土地利用などの地域マネジメントを再構築することが急務であり, 分野・地域・時間を横断して視覚的にわかりやすい情報共有を提供できるGISは, そのための不可欠なツールである。
本報では, 集落GISデータベースを活用した農道の整備効果の検証や農地一筆マップ作成による土地利用計画支援二そしてWeb-GISを活用した住民参加型の情報共有等の事例を通じて, 中山間地域におけるGIS利活用の成果と可能性を明らかにしようとするものである。