浸食予測物理モデルWiater Erosion Prediction Project (WEPP) の黒ボク土への適用を試みた。群馬県ならびに東京都の黒ボク土を試料に室内実験で受食係数を決定した。実験的に得たリル受食係数は, WEPP内で推定した値と大きく異なったが, インターリル受食係数は, 実験値と推定値は類似していた。これらのパラメータを気象データ, 地形データとともにWEPPに入力し, 群馬県の斜面キャベツ畑における降雨の地表面流出, 土壌流亡の観測値とのWEPPによる予測値の比較を行った。リルを多くの流出水が流れる豪雨のときを除いてWEPPは比較的よく地表面流出, 土壌流亡の特徴を再現した。