農業農村工学会誌
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原野・森林火災の制御による温室効果ガス放出の抑制
串田 圭司
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2008 年 76 巻 12 号 p. 1097-1100,a2

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抄録

世界の原野・森林火災は, 人為起源の二酸化炭素放出量の20~60%の二酸化炭素を燃焼時に放出している。原野・森林火災の多発地帯は, シベリアの北方森林, インドネシアの泥炭地, アマゾンの熱帯雨林, オーストラリア, アフリカの半乾燥地などで各地に渡る。近年, これらの地域の多くで, 火災の強度, 頻度が増える傾向にある。火災は植生を取り除くことから, 土壌侵食をもたらしやすく, 植生回復を妨げることもある。多発する火災を抑制, 制御するためには, 火災の予防, 早期火災検知, 延焼予測, 消火活動, 火災を受けた土地の回復対策のためのシステムを, 一貫して構築する必要がある。この中でも今後は土壌侵食対策が重視されるであろう。

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