本報告は, 農林水産省農村振興局が環境省の協力を得て全国で実施している「田んぼの生きもの調査」について, 平成13年 (2001年) から平成18年 (2006年) の6年間にわたる結果をとりまとめ,(1) 水田周辺水路に生息する魚類, カエル類の豊かな種の多様性,(2) これらの固有種や希少種, また外来種について地理的分布の特徴,(3) 水路の構造が与えるその生態系への影響,(4) 市民参加を進めるための調査体制と調査手法などを明らかにし, さらに (5) 本調査に係る今後の課題と展開方向を指摘したものである。