我々は, 核磁気共鳴スキャナーとよばれる装置を開発中である。この装置は, 核磁気共鳴分光の原理を用いて, 原位置またはオンサイトで試料中の水を定量かつリアルタイムで計測できるポテンシャルがある。片側開放型という特殊な構造を採用しているので, 計測対象がどんなに大きくとも, その表面を非破壊でスキャンできるという特長がある。この装置が農業農村工学に使える可能性があることを, 2つの室内実験, すなわち土壌サンプルの体積含水率計測, セメントペーストの硬化過程のモニタリング, の成功によって例証した。