産学連携学
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特集 地方大学におけるTLOの現状と課題
大学の知の移転を考える
千田 晋
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2022 年 19 巻 1 号 p. 1_21-1_25

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抄録

大学研究者の“発明”“技術”の産業化,社会実装を目的に「産学連携組織」が組成され各方面で努力されてきている.しかし,努力が報われず高評価を得られず腐心している関係者もおいでのことと推察する.そこで「組織論」からではなく,「知的生産のマネジメント」の視点で技術移転の課題やあるべき姿を探ってみたい.産学間の技術移転の形としては,大きく分けて,大学発のアイデアと企業等との共同研究を通しての知的財産化に分けられる.研究組合または公募型研究費助成による成果も後者の性格を有する.つまり,大学研究者の独自発想を起点とする研究アイデアの中にこそ“最先端の着想”がありそれ以外の“目的ありき”でひねり出した発想と区別したものである.ここで取り上げるのは技術移転組織(TLO)の中で承認TLO,その中でも“学内”組織として国に承認されたものについて,その経緯と運営,その後と現状について顧みる.その他の会社組織((株),(有))については財務構造が異なるので別途の機会に議論,まとめることとする.GAFA(改めGAMA?)のような変革インパクトのあるビジネス創出を支える技術が求められる中,その源を考えたい.

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© 2022 特定非営利活動法人 産学連携学会
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