2015 年 26 巻 p. 84-88
一般的な廃ソーダライムガラスを水熱処理し,シリコン酸窒化物を合成するための二酸化ケイ素原料の可能性を探査した。廃ガラスを,150℃,24時間保持することでガラス中のナトリウム成分はほぼ完全に除去できたことが確認された。3回の水熱処理を行った廃ガラス粉末およびケイ素粉末を出発原料として,窒素雰囲気中1,450℃,1時間の熱処理により,Si2N2O粒子が得られた。得られたSi2N2O試料は約8~13μmの波長領域でブロードな吸収を示したが,その他の波長領域では吸収を示さなかった。この結果,ガラス粉末の水熱処理により得られた二酸化ケイ素主成分の試料を熱処理したことにより得られたSi2N2Oは,放射冷却材料として適当であることが推察された。