廃棄物資源循環学会論文誌
Online ISSN : 1883-5899
Print ISSN : 1883-5856
ISSN-L : 1883-5856
研究ノート
廃ガラス粉末の水熱処理により得られる二酸化ケイ素主成分粉末を利用した放射冷却Si2N2O粒子の合成
吉田 茂希宮崎 英敏菅原 庄吾清家 泰鈴木 久男太田 敏孝
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 26 巻 p. 84-88

詳細
抄録

一般的な廃ソーダライムガラスを水熱処理し,シリコン酸窒化物を合成するための二酸化ケイ素原料の可能性を探査した。廃ガラスを,150℃,24時間保持することでガラス中のナトリウム成分はほぼ完全に除去できたことが確認された。3回の水熱処理を行った廃ガラス粉末およびケイ素粉末を出発原料として,窒素雰囲気中1,450℃,1時間の熱処理により,Si2N2O粒子が得られた。得られたSi2N2O試料は約8~13μmの波長領域でブロードな吸収を示したが,その他の波長領域では吸収を示さなかった。この結果,ガラス粉末の水熱処理により得られた二酸化ケイ素主成分の試料を熱処理したことにより得られたSi2N2Oは,放射冷却材料として適当であることが推察された。

著者関連情報
© 2015 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
前の記事 次の記事
feedback
Top