2017 年 28 巻 p. 26-38
国内における廃棄物発電ボイラは高効率化に対して高い潜在能力を有しているものの,高温腐食によるボイラ管,特に過熱器管の腐食速度が増大する懸念があるため,なかなか導入が広がっていない。
高効率ボイラを普及させていくためには,精度高くボイラ管の余寿命を予測することとともに腐食速度を抑制する技術が望まれる。そのため,運転中における腐食速度に影響を及ぼす腐食環境の挙動に関する知見・情報が重要となる。
そこで,交流インピーダンス法を用いた腐食センサをガス温度の異なる2箇所の過熱器管近傍に設置し,腐食速度の連続モニタリング試験を実施した。
試験の結果,運転中の腐食速度は変動しているが,その挙動は計測位置で異なっていた。また,腐食速度が速い領域では,腐食速度と乾燥段への供給空気量とに有意な相関が認められ,乾燥段空気量の増減から腐食速度が変化するまでに約8時間の差があることを示した。