産業廃棄物安定型最終処分場等のプラスチック等が混入した廃棄物地盤は,土砂や焼却灰による地盤と比較して,地盤を構成する廃棄物のサイズが大きいことなどから,透水性は極めて高い。しかし,安定型最終処分場での試掘,採取試料による浸透経過確認実験や大型カラム実験の結果,水の一部は廃棄物層中のプラスチック等の凹部等に長時間貯留され,その水は極めてゆっくりと流下することが確認された。このような水の流出応答は,大型カラム実験と実現場を対象とした解析により,廃棄物層中の貯留現象を考慮した貯留関数で表すことができた。また,プラスチック等が混入した廃棄物地盤での沈下計測結果等から,雨水が沈下の一因となり,その要因として,プラスチック等の凹部に貯留する水が関係することが推察された。