廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
粒径別都市ごみ焼却飛灰中重金属元素の結晶形態推定
大渕 敦司藤井 健悟小池 裕也
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2019 年 30 巻 p. 144-152

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抄録

都市ごみ焼却飛灰中の結晶相を XRD, 主成分元素を XRF, 重金属元素を ICP-AES により定量分析した。さらに都市ごみ焼却飛灰を粒度分けすることで結晶・元素組成の粒径依存性を評価した。重金属元素濃度の粒径依存性により,Mn, Ni は粗大粒子として,Se, Cd, Pb は微小粒子として存在していることが示唆された。特に Cd と Pb の粒径依存性は他の重金属元素に比べて顕著であり,これら元素の大部分は微小粒子として存在している可能性がある。環告 13 号試験による溶出試験結果からは,Sr と Pb の溶出が認められ,それら元素の一部は塩化物として存在していると考えられる。Cd と Pb 濃度はMgO, Al2O3, SiO2, CaO 濃度と高い相関係数を示し,これら元素とケイ酸塩や複合的な塩類を形成,またその一部は非晶質として存在している可能性がある。

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© 2019 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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