抄録
本研究では,建設分野における廃ガラスリサイクルの推進と,気泡混合軽量土 (FCB: Foamed Cement Banking) の品質向上・安定化を目的に,緑色の廃ガラスカレット (緑色 GC) を用いた FCB (GC-FCB) を提案し,その室内配合試験やマイクロフォーカス X 線 CT 撮影による FCB 供試体の内部構造観察,さらに ASR 試験 (本研究では,材齢ごとにエアモルタルバーの長さ変化を測定する試験) を実施した。その結果,1) 粗粒率が 1.7~2.6 程度の緑色 GC が FCB に適しており,その条件を満たす緑色 GC を用いた GC-FCB は自然砂を用いた FCB よりも強度発現に期待がもてること,2) GC-FCB の供試体内部は,粒径が揃った緑色 GC が比較的均質に配置されていること,3) シリカ成分を多く含む緑色 GC を FCB に適用しても,ASR 劣化問題が生じる可能性は低いこと,などが明らかとなった。