下水汚泥と食品廃棄物(FW)の混合嫌気性消化におけるシナジー効果(相乗効果)の検証を目的として回分実験と連続実験を実施し,中でも難分解性の余剰汚泥のオゾン処理の影響に着目した。回分実験の結果,混合によるバイオガス発生量は予測値を上回ることを確認した。連続実験は,未処理系,オゾン処理系それぞれに,FWを重量比で10,20,30 %追加投入して運転した。いずれもバイオガス発生量は効率的に増加し,10,20 %投入ではFWの正味のバイオガス発生量は918 NmL/g-VS以上の高い値が算出された。一方,30 %投入の運転では,未処理系は665 NmL/g-VSに大きく低下したのに対し,オゾン処理系は1,036 NmL/g-VSと高い値を保持し,高負荷条件におけるオゾン処理系の優位性が示された。さらに,脱水試験の結果からオゾン処理系はFWを投入しても脱水汚泥重量の増加が起こりにくいと考えられた。