抄録
21年間の都道府県パネルデータを用いて,産業廃棄物(産廃)税の導入が産廃の排出量と最終処分量に与える影響について,課税方式,各自治体の経済状況,産廃の搬入規制,時間効果を考慮して分析した。基本的な固定効果モデルと差の差(Difference-in-differences:DID)分析の結果からは,いずれの課税方式でも統計学的に有意な排出削減効果は確認されなかった。最終処分量に関しては,時間効果を考慮しないモデルでは,他の自治体からの搬入を除いた場合,全課税方式で,それを含めた場合,最終処分業者特別徴収方式と焼却・最終処分業者特別徴収方式で減量効果が確認されたものの,それらの効果は時間効果によって打ち消されることを示した。さらに,産廃税の導入年度の違いによるバイアスの影響を取り除いたDID分析を適用した結果,2003年度に最終処分業者特別徴収方式を導入した自治体でのみ,一部期間で継続的に有意な排出抑制・最終処分削減効果が確認された。