日本数学教育学会誌
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教材研究
1辺両端角の三角形の面積公式とそれに基づく三角関数の加法定理の証明
永野 俊雄
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2016 年 98 巻 1 号 p. 2-10

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抄録

本稿の目的は「1 辺両端角の三角形の面積公式」を高等学校数学1 の教材として取り上げることの教育的価値について論じることである.「1辺両端角の三角形の面積公式」は既存の「三角形の面積公式」を基に適用の仕方を場合分けすると4通りの表現が得られる.更にこれらの間の関係を調べると「三角関数の加法定理」が得られる.特に「角の和と差の正弦の加法定理」が同時に得られることが特長である.これらは角を三角形の内角に限っているため成立範囲は狭いが,「1辺両端角の三角形の面積公式の表現の間の関係式」として発見的に得られるので,その必然性を理解しやすい.これは「三角関数の加法定理」の導入の仕方に従来とは別の方法を示唆する.これらのことを「1辺両端角の三角形の面積公式とそれに基づく三角関数の加法定理の証明」と「想定される生徒の学習活動」として示した.それにより「数学を創造・発展させる機会を与える」という点で「1辺両端角の三角形の面積公式」が「多面的思考の価値」を示す教材になり得ることを示唆した.

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