抄録
本研究の目的は,出産後3年以内の女性の出産状況を捉えることで,尿失禁の現状と出産(産科医療),日常生活上の要因との関連性を検討することにより,尿失禁予防と改善に向けた助産師の役割と課題を明らかにすることである。調査は,G県A市における乳幼児健康診査に来所した母親を対象にした自記式質問紙調査である。配布数1,000部,回収率33.4%であった。統計処理は,SPSS10.0Jを用い,χ2検定,t検定,ロジスティック回帰分析を行った。結果,出産後2ヵ月以降も35.5%という高い尿失禁経験率にあること,また,尿失禁と妊娠前・妊娠中・出産直後の尿失禁,床上げまでの間に休息できなかった経験,吸引・鉗子分娩,BMI等の要因との関連性が明らかになった。尿失禁予防と改善に向けた助産師の役割と課題としては,妊娠前・妊娠中・出産後を通して,積極的に骨盤底筋に負担をかず,その後骨盤底筋が回復するような改善策を取り組む必要がある。