抄録
目的:人工股関節全置換術(THA)後患者のQOLを査定するアセスメント手法の開発に向けて,再置換術に関連する住生活環境要因を探索することである。
方法:THA後患者104名(再置換あり35名,再置換なし69名)を対象に記名自記式の質問紙調査を行い,再置換術の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析と,手術前後の生活様式をMcNemar検定により検討した。
結果:再置換術との関連は,大腿骨頭壊死症:疾患(OR=7.3),道具の準備なし:物的環境(OR=7.9),排泄場面の推奨されない生活様式:物的環境(OR=18.8)にみられた。生活様式の手術前後の比較では,再置換なし群の食事・排泄・入浴・就寝・休息場面で,推奨される生活様式が初回THA後に有意に増加した(p<0.001)。
結論:THA後患者の再置換術のリスクに関連する住生活環境要因として,術前の物的環境の準備状態と手術前後の生活様式のアセスメントが重要であり,これらを踏まえた看護支援の必要性が示唆された。