日本看護研究学会雑誌
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脳血管障害患者の日常生活活動拡大に関する研究
-意欲,自己効力感,自己効力感形成の情報源との関係に焦点をあてて-
魚尾 淳子河野 保子
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2011 年 34 巻 1 号 p. 1_47-1_59

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抄録

 本研究の目的は,リハビリテーションを必要としている脳血管障害患者のADL拡大が意欲,自己効力感とどのように関係しているのかを明らかにすること,そして,ADL拡大や自己効力感を形成していく時にどのような情報源が影響しているか明らかにすることである。脳血管障害患者103名に対して,質問紙調査を行った。その結果,意欲,自己効力感が高い者はADLが高かった。因子分析により,自己効力感は「回復希求」「感情調節」「超越した自我」,自己効力形成の情報源は「成功体験」「他者との関わり体験」「肯定的感情体験」のそれぞれ3因子が抽出された。ADL拡大に対する意欲,自己効力感,自己効力形成の情報源の関係をパス解析した。その結果,患者に「成功体験」が経験できる関わりを多く持たせること,患者が他者からの励ましや説得を受けること,モデリング体験は,ADL拡大や意欲をひきだすには重要であることが示唆された。

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© 2011 一般社団法人 日本看護研究学会
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