抄録
本研究では,腰背部温罨法における湿熱法と乾熱法の方法を用いて,リラクセーション効果の違いを比較した。対象は健康な男子看護学生11名とし,43℃の蒸したバスタオルを腰背部に直接貼用する湿熱法と,蒸したバスタオルをビニール袋に入れて貼用する乾熱法を,日を変えて実施した。生理的反応は脳波,心拍変動,深部体温,心理的反応はVAS,POMS,気持ちよさを用いた。温罨法中の5分間をみると,湿熱法は乾熱法に比べ,温罨法中0.5分後と1分後においてHFの有意な上昇,温罨法中0.5分後においてLF/HFの有意な低下が認められた。脳波とVASに関しては湿熱法において正の相関があった。今回のような湿熱法であれば,約3分間という短時間で「気持ちよさ」を提供できる援助であると言える。