日本看護研究学会雑誌
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精神科訪問看護において病棟看護師が感じる困難
川内 健三天谷 真奈美
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2013 年 36 巻 2 号 p. 2_1-2_11

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抄録

 研究目的は,精神障害者の療養生活を支援する病棟看護師が,地域への移行や地域生活の安定に向けた訪問看護を実施するなかで感じる困難について明らかにすることである。精神科病棟で3年以上経験し,かつ現在,精神科病棟に所属して精神科訪問看護を行っている看護師15名に対し半構造化面接を行い,Berelsonの内容分析にて分析した。
 その結果,病棟看護師は病棟看護と訪問看護による発想の開きから生じる困難,訪問看護に関する病院組織の不十分な実施支援態勢からくる困難,限られた時間や空間で迅速な判断を1人で行う困難,精神障害者が地域生活をするうえでの特質に基づく困難を感じていた。
 このような困難をもつ看護師の支援には,精神障害者の地域生活に触れ,地域での支援方法を学ぶ機会を設ける,病院組織の看護部門主導の訪問看護実施体制の確立等で困難の軽減につなげることが必要と考える。

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© 2013 一般社団法人 日本看護研究学会
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