日本看護研究学会雑誌
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慢性肝炎患者が行う活動休息調整とソーシャルサポートのQuality of Lifeへの影響
内田 真紀矢島 直樹有田 広美
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2015 年 38 巻 5 号 p. 5_53-5_59

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抄録

 病態や倦怠感以外の要因の改善による慢性肝炎患者のQOL維持向上の可能性を探るため,患者が病気のために行う活動休息調整やソーシャルサポートが患者のQOLに影響を及ぼすのか検討した。外来通院中の患者40名に対し,肝疾患に特異的なHR-QOL評価法であるCLDQと慢性疾患患者に対するソーシャルサポート尺度,患者が肝炎のために行っている活動休息調整についての自作質問紙による質問紙調査を行った。活動調整と休息の有無で差が生じたQOLは[腹部症状]と[全身症状][心配]であった。ソーシャルサポートとQOL尺度で相関がみられたのは[日常の生活における情緒的サポート]と[腹部症状]であった。腹部症状に影響する患者属性は,[性別][インターフェロン治療歴の有無],CDDQの[感情機能]であった。患者の活動と休息調整状況および腹部症状を知ることで患者の心理的な支援につながる可能性が示唆された。

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© 2015 一般社団法人 日本看護研究学会
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