日本看護研究学会雑誌
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成人期にある脊髄損傷者の職業人としての自己に対する意味づけ
堀田 涼子市村 久美子
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キーワード: 脊髄損傷, 成人, 職業, 意味づけ
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2016 年 39 巻 4 号 p. 4_43-4_53

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抄録

目的:成人期にある脊髄損傷者が職業人としての自己をどのように意味づけているのかを明らかにする。
方法:脊髄損傷者11名に半構成的面接を実施し,質的記述的に分析した。
結果:入院中は【職場への復帰不可能】【障害を負ったからこそ芽生えた使命感】【職場復帰に向けた意識の転換】,退院後は【職業人として築き上げてきた生き方の途絶】【職場の理解と承認が得られている自己の発見】【社会復帰に向けた行動の表出】【自分ならではの働き方の発見】【担うべき仕事・役割の目的と意義の転換】の8つのカテゴリーが導き出された。
結論:研究参加者は,入院中より職業人としての存続の可能性を予期しており,職業生活が途絶した現実との直面を契機に,復帰に向けた行動に踏み出したり,役割の果たし方を模索しながら,障害者としての経験と視点を有する自分が,職業人として生きていく意義や目的を見出していたことが示された。

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© 2016 一般社団法人 日本看護研究学会
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