2016 年 39 巻 4 号 p. 4_55-4_64
目的:一般病棟でセデーションを受ける終末期がん患者にかかわる看護師の思いを明らかにする。
方法:一般病棟の看護師13名に半構成的面接を行い,質的記述的に分析した。
結果:看護師は【患者・家族の望みを叶えてあげたいという思い】【苦痛のない穏やかな最期を迎えさせてあげたいという願い】【患者と意思疎通をはかれなくなることに対する葛藤】【医師に対する不満と諦め】【セデーションに対する困惑】【セデーションが奏効したと確認できたことによる安堵感】を抱いていることがわかった。この思いは,患者に耐えがたい苦痛が出現しセデーションを行い,患者が死を迎える経過とともに折り重なるように変化していた。
結論:セデーションが奏効すると安堵感を抱くことや,治療経過や人柄を知っているため耐えがたい苦痛がある患者をみるのが余計切ないと思うこと,医師への不満とセデーションへの不安が強いことが,一般病棟の看護師の特徴であると示唆された。