2017 年 40 巻 1 号 p. 1_25-1_34
【目的】当事者がどのような思いで登校していた時期から不登校となったのか,その先どのような思いで不登校を続けていくのか,そのプロセスを明らかにすることを目的とする。
【方法】不登校から再登校できた当事者6名を研究参加者とし,半構造的面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析した。
【結果】登校していた時期から不登校となる当事者の思いは,〈幼さから受ける傷〉〈トータル的な苛立ち〉〈身体が行けない〉という,学校での深い傷つきから始まる。当事者である【メジャーでない自分】は,【守られている感覚】と【認められたい感覚】とを揺らぎながら,普通に登校することへの【本線へのこだわり】を持ち続ける。【守られている感覚】が強いと,学校とは別の〈支線で行く〉思いを育てる。一方,【認められたい感覚】が強いと,【もう混じれない】思いをもち,不登校を続けるしかなくなる。