日本看護研究学会雑誌
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看護師と看護学生の手の使い方の違い
─ 体位変換技術における手指・手掌の接触部位にかかる力に焦点を当てて ─
明野 伸次樋之津 淳子村松 真澄
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2018 年 41 巻 4 号 p. 4_783-4_794

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抄録

 本研究の目的は,看護師と看護学生が実施する体位変換技術における手指・手掌の接触部位にかかる力と,体位変換技術を受ける患者役の主観的評価の違いを明らかにすることである。看護師と看護学生の第1指から第5指および手掌にセンサを取り付け,仰臥位から側臥位の体位変換時の手指・手掌の接触部位にかかる力を行為に沿って測定した。患者役の主観的評価は,安楽さをVASで測定した。結果,頭部を持ち上げる行為,仰臥位から側臥位にする行為,側臥位を安定させる行為で,手指・手掌の接触部位にかかる力に有意差が認められた。また,安楽さの評価は,看護師のほうが高い値を示した。学生は看護師に比べて,右手の第3指と左手の第2指と第3指の接触部位にかかる力が強い傾向にあったが,常に指先に力が入っているわけではなかった。とくに,身体の重い部位を扱う際に,指先の限局した部分に力がかかるため,つかむような手の使い方になっていると考えられた。

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© 2018 一般社団法人 日本看護研究学会
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