日本看護研究学会雑誌
Online ISSN : 2189-6100
Print ISSN : 2188-3599
ISSN-L : 2188-3599
3か月以内に再入院した統合失調症患者に対する地域定着に向けた中堅・熟練病院看護師の支援プロセス
牧 茂義永井 邦芳安藤 詳子
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 41 巻 4 号 p. 4_713-4_722

詳細
抄録

目的:統合失調症患者の再入院から地域定着に向けた病院看護師の支援のプロセスを明らかにする。
方法:精神科病棟勤務経験5年以上の看護師に再入院した統合失調症患者へ行った支援について面接し,内容を戈木(2013)のグラウンデッド・セオリー・アプローチを参考に質的帰納的に分析した。
結果:17名の看護師に面接した結果,支援は[患者の理解者としての課題抽出と退院後の生活のイメージ][患者と家族の幸福を志向した退院後につながる支持的な家族関係の調整][ラポール形成能力の障害をふまえて安全感を保証した信頼関係の形成][患者が病気を受容し,患者の課題に向き合う支援][入院中の看護をプロセスの一部ととらえた地域への橋渡し]の5段階を経ていた。
結論:退院後をイメージした支援により,患者は退院後に継続できる生活を身につけることができ,地域への橋渡しで,患者は退院後の支援を受けることが容易になった。

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本看護研究学会
前の記事 次の記事
feedback
Top