2018 年 41 巻 5 号 p. 5_935-5_943
目的:家族が異変に気づいてからレビー小体型認知症(dementia with Lewy body; DLB)と診断がつくまでの家族介護者の体験を明らかにする。
方法:DLB者を在宅で介護する家族7名に半構造化面接法を行い,質的帰納的分析を行った。
結果:研究参加者は20代から60代の女性6名男性1名であった。家族介護者は【生活の中での違和感】に気づき【本人の変化に対する調整】をしながら早期に受診するも原因不明と言われ時間だけが過ぎていった。幻覚などの症状が悪化し【幻覚症状や誤診による翻弄】をされ,自ら異変の理由を調べ【認知症の可能性への気づき】に至っていた。そして認知症専門医の診察を受け初めてDLBと告げられ【認知症専門医による治療への期待】を寄せていた。
考察:DLBの症状や誤診に翻弄されることなく早期にDLBの診断を受けるために,専門職者へのDLBの知識普及が喫緊の課題だと推察された。