日本看護研究学会雑誌
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禁煙外来における熟練看護師の禁煙支援技術
高橋 博子中西 純子
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2021 年 44 巻 1 号 p. 1_111-1_121

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抄録

目的:禁煙外来における熟練看護師は,禁煙支援のために,どのような技術をどのように使っているのか明らかにする。方法:禁煙支援歴5年以上の有資格看護師2名を対象に禁煙支援場面の参加観察と半構造的面接を行い,質的記述的に分析した。結果:〔患者の関心をひきつけ,分かりやすい説明を駆使し,患者を「分かる」へ導く技術〕〔目標のハードルを上げすぎず,ポジティブ思考へ後押しし,禁煙を続ける自信を強める技術〕〔禁煙動機を強め,且つ動機を弱める因子を減らす技術〕〔個々の体験世界や生活に合わせて柔軟に具体的に介入する技術〕〔賞賛と注意喚起で再喫煙のリスクを避ける技術〕他9つの禁煙支援技術が抽出された。結論:禁煙外来において,熟練看護師はニコチン依存症患者の特性を心得た上で認知の修正や自己効力感向上,再喫煙予防を意図して行い,限られた期間と受診回数の中で,受診回ごとに効果的に自在に禁煙支援技術を駆使していた。

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© 2021 一般社団法人 日本看護研究学会
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