2022 年 45 巻 1 号 p. 1_81-1_91
目的:わが国の看護学生へのたばこに関連する教育において,教育方法の違いによる教育効果を明らかにする。方法:文献検索は医中誌WebとCiNiiを用い,検索語は「たばこ」「禁煙」「看護学生」等とした。選択・除外基準に基づき論文を選択した。結果:14件を採択した。教育目標はいずれの研究も看護学生の喫煙防止や禁煙であった。禁煙支援の実践を教育目標に挙げ,その評価をした研究は1件であった。教育効果は,教育直後のたばこに関する知識や禁煙支援の意欲の向上,喫煙への寛容度の低下の報告が多数あった。教育効果の維持は,禁煙支援の意欲は1ヶ月,たばこに関する知識はアクティブ・ラーニング型の教育では6ヶ月であった。結論:どのような教育方法が効果的であるかについては結論を導くことは難しく,さらなる検証が必要である。今後の教育目標では,看護学生の喫煙防止・禁煙のみならず禁煙支援の実践能力向上に重点を置くことが重要である。