2025 年 48 巻 1 号 p. 1_41-1_49
目的:臨地実習前後での看護学生が持つエイジズム及び高齢者に関する知識の変化,さらにはエイジズムと高齢者に関する知識の関係性を明らかにする。方法:A大学3年次の看護学生64名に対し,2019年度の臨地実習前後で,日本語版Fraboniエイジズム尺度短縮版14項目(FSA),The facts on Aging Quiz 22項目(FAQ)を含めた質問紙調査を実施し,比較した。結果:実習後は,実習前に比べてFSA得点が低くなった(p<.001)。一方でFAQ得点は,実習前後で有意な差はみられなかった(p=.21)。さらには,エイジズムと高齢者に関する知識には相関関係はみられなかった。結論:臨地実習での経験は,看護学生が高齢者を肯定的に捉えることにつながると示唆された。