2025 年 48 巻 1 号 p. 1_29-1_39
目的:婦人科がん患者に対する性生活支援の状況と支援構造を検討する。方法:全国がん診療連携拠点病院の婦人科病棟看護師に対し自記式質問紙を用いて調査し因子分析を行った。結果:940名に調査票を郵送し有効回答365部を分析した。看護師は,主として手術後の退院指導で性生活に関する説明をしていた。性生活支援において,患者への情報提供として【化学療法や放射線療法に関する情報提供】,【手術療法に関する情報提供】,【今後の性生活に関する情報提供】,【性交渉とがんの伝染と再発に関する情報提供】,支援における関わり方や相談対応として【性生活支援における基本的コミュニケーション】と【性生活に関する具体的な話し合い】の因子が抽出された。多くの看護師は性生活に関する情報提供の必要性を認識する一方で実施割合は低く困難感が高かった。結論:実際の支援状況が明らかとなり,今後,関連要因を解析し改善策について検討する。