日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
ISSN-L : 1883-1273
症例報告
ペースメーカー植込み数年後に完全房室ブロックの自然改善を認めた心臓サルコイドーシスの2症例
土田 哲人 長谷川 徹坂本 淳南場 雅章遠藤 利昭安藤 利昭
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 30 巻 1 号 p. 15-20

詳細
抄録

サルコイドーシスの経過観察中,肺,眼および皮膚病変においては自然消退する例があることが知られている.しかし,心病変に自然改善例があるか否かは不明である.今回,心臓サルコイドーシスによる完全房室ブロック(CAVB)において,ペースメーカー植込み治療後,ステロイド剤未治療にもかかわらず数年を経て房室ブロックの自然改善を認めた2症例を経験した.いずれもペースメーカー植込み後1年以上心室ペーシングが必要な状態であったが,その後自然にCAVBが改善し,すべて自己脈となった.その後いずれも7年以上経過観察中であるがCAVBの再発を認めていない.心臓サルコイドーシスの病態の一つであるCAVBの自然消失を示す貴重な症例と考えられた.

著者関連情報
© 2010 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top