日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
両肺移植を施行したサルコイドーシスの1例
三浦 佳代加藤 元康高橋 和久
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2010 年 30 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

症例は59歳の男性.21歳時にハワイに移住.1986年(39歳)に顔面,膝,肘関節に皮疹が出現し,左頬部より皮膚生検施行.1991年には経気管支肺生検を施行し,いずれもサルコイドーシスと診断された.この時点でプレドニゾロンの全身投与を受けたが改善を認めなかった.1997年頃より労作時息切れを自覚するようになり,徐々に肺病変が進行した.2006年9月よりプレドニゾロン40 mg/日+メトトレキサート10 mg/週を開始したが改善は認められず,2007年4月より在宅酸素療法導入となった.2008年5月肺移植目的でUCLA medical center受診し,同年6月両肺移植を施行された.現在は呼吸不全もなく,ハワイで日常生活を送っている.本邦でサルコイドーシス症例に対して肺移植を施行した例は未だなく,貴重な症例と考えられた.肺移植とサルコイドーシスに関して若干の文献的考察を加え報告する.

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© 2010 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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