日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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シンポジウム-心臓サルコイドーシスの新たな展開
心臓サルコイドーシスに対するメトトレキサート/抗菌薬治療の実態
全国調査と自験例の経過について
矢崎 善一
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2010 年 30 巻 1 号 p. 89-91

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抄録

【はじめに】心臓サルコイドーシスに対する免疫抑制療法の第一選択は副腎皮質ステロイドホルモン薬(ステロイド)であるが,心病変の再燃や進展,副作用でQOLが大きく損なわれる症例も存在する.【目的】心臓サルコイドーシスに対するメトトレキサート(MTX)の有用性について自験例の分析と全国アンケート調査を行い明らかにすること.【対象と方法】免疫抑制療法を行った44例の自験例中,MTXを追加した5例の分析と,日本循環器学会指定の循環器研修施設940施設にアンケート調査を行った.【結果】自験例平均14 ヵ月の経過観察中,3例にステロイドの減量が可能となり,1例に左室駆出率の改善を,2例にBNPの有意な低下が見られた.過去10年間の間に心臓サルコイドーシスの治療を行った総症例数1060例中,MTX治療が行われた症例は11例(1%)であった.【考案】心臓サルコイドーシスに対するMTX追加投与の有効性と安全性を全国調査で詳細に検討し,確立する必要がある.

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© 2010 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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