日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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原著
サルコイドーシス全国剖検例の脾病変の検討
立花 暉夫武村 民子岩井 和郎
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2011 年 31 巻 1 号 p. 11-15

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抄録

 1939~1999年のサルコイドーシス国内剖検例469例の脾サルコイドーシス病変について検討した結果,1. サルコイドーシス全身性病変分布は,肺78.3%,心71.0%,肝42.4%,脾41.6%,リンパ節87.4%であり,脾病変は肝病変と共に,肺,心病変に次ぎ高頻度であった.脾病変あり症例で脾肝病変を同時に認めた症例は高頻度であった.超高齢者剖検例でも,同様の傾向を示し,肺68.4%,心73.7%,肝45.7%,脾42.1%,リンパ節81.6%で,脾病変は肝病変と共に,肺,心病変に次ぎ高頻度であった.脾肝病変を同時に認めた症例も高頻度であった.2. 病理組織学的には,軽微な脾病変が多く,生前,著明脾腫,脾機能亢進を示し,剖検時に線維化と融合傾向著明な壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫がみられる高度な脾病変を認める症例は稀である.脾腫,脾機能亢進を示さずに,肺病変,心病変で死亡した剖検例で,高度な脾病変を認める症例もあった.

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© 2011 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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