日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
Lobulated fibersを伴った慢性ミオパチー型筋サルコイドーシスと考えられた1例
竹丸 誠岡崎 敏郎中村 憲一郎木村 成志堀之内 英雄上山 秀嗣熊本 俊秀
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2011 年 31 巻 1 号 p. 49-55

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抄録

症例は75歳,女性,神経筋疾患の家族歴はない.48歳時にぶどう膜炎,続いて皮下硬結が出現し,鼠径部リンパ節生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,サルコイドーシスと診断された.61歳時より四肢脱力が出現し,当科に入院した.神経所見では,四肢近位筋優位の筋力低下と筋萎縮,深部反射の低下を認めた.検査所見では,血中ミオグロビン,アルドラーゼの上昇,針筋電図で四肢に筋原性変化を認めた.骨格筋MRIでは四肢に対称性の筋萎縮と脂肪変性を認めたが,ガリウムシンチグラフィーで集積像はなかった.筋生検では,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫はみられなかったが,筋線維の萎縮・脱落,高度の線維化,血管壁の肥厚,血管周囲のリンパ球浸潤,lobulated fibersを認めた.慢性ミオパチー型筋サルコイドーシスを疑い,ステロイド療法を行い,筋症状は改善を認めた.筋病理所見で長期経過を示唆するlobulated fibersが見られたことから,本症例は非乾酪壊死性肉芽腫が消失した後のhealingステージの筋病理像と考えられた.

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© 2011 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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