2013 年 33 巻 1 号 p. 123-126
症例は39歳女性.両側上葉の収縮性変化を伴う浸潤影で初診し,2年後に経気管支肺生検でサルコイドーシスと診断されたが,右上葉に空洞を認め,右空洞内感染を併発した.感染症は改善したが,その後もサルコイドーシスの肺病変は進行した.本症例に対し,プレドニゾロン10 mg/日から治療を開始し,肺病変の改善を認めた.感染症の悪化は認められず,両側の空洞は無気肺化に伴い虚脱化し,CT上消失した.その後5mg/日までプレドニゾロンは減量しえた.感染リスクが高い進行性のサルコイドーシス症例に対し,少量副腎皮質ステロイドホルモン薬(ステロイド)治療で肺病変の改善をみた.