日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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解説
心臓MRIとPETを心臓サルコイドーシスの診断にどう活かすか
真鍋 徳子
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2013 年 33 巻 1 号 p. 67-70

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抄録

サルコイドーシスは全身の諸臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫をきたす原因不明の炎症性疾患である.心臓への波及は剖検例で20–30%程度とされるが,日本人は欧米人と比べて心病変の合併が高いとされている.心病変を有する例の約30%にAVブロックなどの高度な伝導障害,心室性期外収縮,心不全など致死的症例がみられ,サルコイドーシスの死因の47–78%を占める重要な合併症である.心筋生検により確定診断に至るが,感度は低く,非侵襲的に病変を検出できる遅延造影MRIが有用である.遅延造影MRIは,虚血性心疾患において心筋バイアビリティ評価に広く使用されているが,心筋梗塞のほか,非特異的炎症および種々の原因による線維化でも造影され,心臓サルコイドーシスでの異常増強像についても多くの報告がある.2012年4月に保険適用になったFDG PET所見と比較し,心臓MRIを心臓サルコイドーシスの診断にどう活かしているかを紹介する.

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© 2013 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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