IgG4関連疾患は,リンパ球とIgG4陽性形質細胞の著しい浸潤と線維化により,同時性あるいは異時性に全身臓器の腫大や結節・肥厚などを認める原因不明の疾患である.血液中のIgG4値が高いことは特徴的所見であるが,同時に IgE, IgG値も高値を示すことが多く,自己抗体を有する例も少なくはない.罹患組織の検討からTh2細胞,制御性T細胞が中心になってつくりだす病態であることが示唆されているが,自己免疫疾患なのかアレルギー疾患なのか?この問いに対しても明確には答えられないのが現在の状況である.IgG4関連疾患は,日本が発信した疾患概念である.今後わが国を中心とした集学的な病態解析による免疫学的機序の解明が必要であると思われる.