日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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総説
心臓サルコイドーシスの活動性病変評価に18F-FDG PETは役立つのか?
諸井 雅男宇野 公一山田 嘉仁山口 哲生諸岡 都窪田 和雄廣江 道昭
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2014 年 34 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

【要旨】Fluorodeoxyglucose(FDG)は糖のアナログであり,18F-FDG PETは細胞の糖代謝を画像化する.近年,心臓サルコイドーシスの活動性病変を評価する方法として,18F-FDG PETが有力であることが示された.しかしながら心臓におけるマクロファージなどの炎症細胞へのFDGの取り込みを評価するためには,正常心筋細胞への取り込みを抑制する必要がある.そのためには18時間以上の絶食と検査前の低炭水化物食(5 g以下)による前処置が重要である.また,長時間絶食の確認には血中遊離脂肪酸濃度が役立つ.長時間絶食によっても不全心筋細胞はFDGを取り込む.実際の心臓サルコイドーシス病変部位では不全心筋細胞と炎症細胞が混在すると考えられる.瘢痕病巣との区別は重要で,心筋血流SPECT,心筋脂肪酸代謝SPECTが参考となる.18F-FDG PETは臨床的には治療の評価および心内膜下心筋生検のガイドとしての活用が期待される.

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© 2014 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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