2014 年 34 巻 1 号 p. 63-68
【要旨】症例は32歳男性.30歳時に健康診断で胸部異常陰影を指摘され当科を紹介受診した.胸部CTにて多発結節影と両側肺門・縦隔リンパ節腫脹を認め,経気管支肺生検にて肺サルコイドーシスと診断したが外来受診を自己中断したため無治療のまま経過した.32歳時に全身性痙攣と意識消失が出現した.頭部造影MRIで右頭頂葉から側頭葉にかけて髄膜の造影効果を認め,経過から神経サルコイドーシスと診断し,プレドニゾロン60 mgによる治療を行い画像所見と臨床症状は改善した.肺サルコイドーシスの経過観察中に神経サ症を発症することもあり,臨床上注意が必要である.