日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
ISSN-L : 1883-1273
一般演題:口演1
当施設における神経サルコイドーシスの臨床的検討
後藤 恵小山 旅人藤岡 秀康片山 徹二天野 優子石橋 正人木村 有希藪内 健一麻生 泰弘軸丸 美香花岡 拓哉木村 成志松原 悦朗
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 54-4

詳細
抄録

【目的】当施設で経験した神経サルコイドーシスの臨床症状、髄 液所見、治療法および効果を検討する。 【方法】2003 年から 2014 年の間に神経サルコイドーシスと診断 し、中枢神経もしくは末梢神経に病変を認めた症例について、病 型、髄液所見、治療法、治療効果、予後に関して検討した。 【結果】症例は 18 例、平均年齢 54.8±18.3 歳であった。2006 年 の診断基準で病型分類すると、実質内肉芽腫性病変は 6 例、髄膜 病変 3 例、脳神経麻痺 4 例、脊髄神経麻痺 5 例であった。また、 definite 群は 2 例、probable 群は 9 例、possible 群は 4 例、除外 例は 2 例であった。神経生検を 6 例に施行し、2 例で肉芽腫を確 認した。髄液所見は蛋白が平均 76.1±55.6 mg/dl、細胞数は平均 9.0±13.2/μl、糖は平均 53.8±17.9 mg/dl であった。 治療は 17 例でステロイド治療が選択され、全例で有効であった。 1 例は頭蓋内腫瘍との鑑別が困難であり、手術が選択された。退 院時の治療は全例 PSL 内服であり、1 例で MTX が追加された。 観察期間中に 4 例再燃し、髄膜病変 1 例、脳神経麻痺 1 例、脊髄 神経麻痺 1 例であった。 【結論】神経サルコイドーシスは臨床診断が困難であり、治療は ステロイドが有効であった。4 例再燃したが、比較的予後良好で あった。

著者関連情報
© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top