日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
ISSN-L : 1883-1273
一般演題:口演2
サルコイドーシスと非結核性抗酸菌症の合併例に関する検討
鈴木 邦裕濵田 直樹有村 雅子三雲 大功緒方 彩子水田 佑一原田 英治中⻄ 洋一
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 56-1

詳細
抄録

背景・目的:サルコイドーシスを含む呼吸器疾患精査中に、非結 核性抗酸菌が検出された場合には、コンタミネーション、保菌も しくは活動性の感染を判断する必要がある。サルコイドーシスと 非結核性抗酸菌症の合併の報告としては、1994 年の立花らの全国 調査があり、サルコイドーシス 878 例のうち 4 例に非結核性抗酸 菌症の合併があったとされている。両疾患の合併の頻度はさほど 高くはないが、画像所見上も粒状影、結節などが類似することが あり、病理所見上もともに類上皮細胞性肉芽腫を形成するため、 両者は時として鑑別を要する。両疾患の合併症例の臨床像を調べ るため、当院における過去 10 年の症例を検討した。方法:当院に て 2006 年から 2015 年の 10 年間に気管支鏡検査が施行されたサ ルコイドーシス 104 例の気管支洗浄液もしくは喀痰中の非結核性 抗酸菌について解析した。結果:104 例中 15 例から非結核性抗酸 菌が検出された。非結核性抗酸菌症の診断基準を満たすものは 8 例であった。菌種は Mycobacterium avium 4 例、Mycobacterium gordonae 1 例、菌種が同定されないものが 10 例であった。両者 の合併症例は、男女比 2:13、年齢 38 歳〜86 歳であった。臨床 所見、画像所見の検討を加えて報告する。

著者関連情報
© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top