日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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一般演題:口演2
サルコイドーシス患者血清中 BAFF 値とその活動性との相関
植田 郁子谷村 裕嗣大澤 学岩阪 浩志大江 秀一山﨑 文和水野 可魚岡本 祐之
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2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 57-2

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抄録

サルコイドーシス患者 37 人と健常人 21 人の血清中 BAFF 値を ELISA で測定した。血清中 BAFF 値はサルコイドーシス患者で 有意に上昇し、BAFF 値が上昇している群は正常群と比較して皮 膚と眼病変の頻度が有意に高かった。さらに、血清 BAFF 値は血 清中アンギオテンシン変換酵素、リゾチーム、IFN-γ 値と相関が みられた。皮膚組織での BAFF の発現を免疫染色で検討したとこ ろ、類上皮細胞に BAFF の発現がみられた。そこで類上皮細胞の 前駆細胞と考えられている単球が BAFF を産生するかどうかにつ いて検討した。単離した単球を IFN-γ を添加した培地で培養する ことにより、単球上に膜型の BAFF の発現および可溶型 BAFF の 分泌が誘導された。BAFF 産生亢進による B 細胞のサブセットの 異常の有無をフローサイトメトリーで測定したところ、患者末梢 血ではナイーブ B 細胞の増加とメモリーB 細胞および形質細胞芽 球の減少がみられた。核抗抗体は 26 人中 7 人(55%)で陽性であっ た。本研究により血清 BAFF 値はサルコイドーシス患者の病勢を 予測するマーカーとして有用であり、BAFF 値上昇がその病因と 関連する可能性が示唆された。

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© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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