日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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一般演題:口演4
皮膚 Rosai-Dorfman disease の 1 例
福本 毅三木 康子正木 太郎福永 淳岡 昌宏皿山 泰子伊藤 智雄錦織 千佳子
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2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 61

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抄録

71 歳女性。初診の 8 ヶ月前に右大腿に瘙痒を伴う皮疹が出現し、 近医皮膚科でステロイド外用剤による治療を受けたが、皮疹は軽 快せず隆起してきた。初診の 2 ヶ月前に神戶労災病院皮膚科に紹 介され生検を受けたが、診断に至らなかった。同皮膚科でステロ イド局注やタクロリムス外用治療を行うも皮疹の拡大が続いたた め、精査加療目的で当科を紹介された。初診時、右大腿内側に 20 × 12 cm の範囲に粟粒大までの淡紫紅色斑が密集して多発し、そ の中に 6.5 × 3.5 cm の紫紅色局面形成がみられた。病理組織学的 所見では、真皮全層にリンパ球、組織球、形質細胞、巨細胞など からなる密な細膨浸潤があり、emperipolesis を認めた。組織球細 胞は S-100 陽性、CD68 陽性、CD1a 陰性であった。リンパ節を 含めた他臓器病変を伴わず、皮膚 Rosai-Dorfman disease と診断 した。

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© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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