日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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一般演題:ポスター発表1-1
下肺野優位肺サルコイドーシスは肺機能低下をきたし予後不良
橘 和延新井 徹杉本 親寿北市 正則審良 正則林 清二井上 義一
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2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 64-1

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抄録

【目的】サルコイドーシスの肺病変は上肺野優位の分布が多いが、 時に下肺野優位の分布を認める。下肺野優位群は肺機能低下をき たし予後不良であると仮説を立て検証を行った。【対象】2004 年 4 月から2014 年3 月までに当院で気管支鏡によりサルコイドーシ スの診断をうけた 108 例。【結果】下肺野優位の分布を示した 11 例と非下肺野優位分布の 97 例を比較した。年齢 (71 歳 vs 56 歳, p = 0.0005)、KL-6 (1046 U/mL vs 342 U/mL, p < 0.0001), SP-D (193 ng/mL vs 45.1 ng/mL, p < 0.0001)において下肺野優位群で 有意に高値であった。診断時の肺機能では%FVC (96.0% vs 103%, p = 0.022), %DLco (63.2% vs 87.6%, p = 0.013)ともに下肺野優位 群で有意に低下がみられた。下肺野優位群は年間の FVC の低下量 は有意に大きく(112 mL vs 0 mL, p = 0.0033)、全生存期間は有意 に低かった(p < 0.0001)。【結論】下肺野優位のサルコイドーシス は肺機能低下をきたし予後不良である。

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© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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