日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例紹介
僧帽弁逆流の成因解明にストレインエコーが有用であった心臓サルコイドーシスの一症例
米田 智也木下 秀之半田 知宏長井 苑子相澤 卓範岡林 真梨恵中島 康弘中川 靖章桑原 宏一郎一山 智木村 剛
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2016 年 36 巻 1_2 号 p. 79-83

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抄録

 75歳女性.65歳時にぶどう膜炎を指摘.その後,胸部CTにて肺門部リンパ節腫脹あり,心エコーにて心室中隔中部に限局した菲薄化,MRIにて同部位に遅延造影を認め,サルコイドーシスと診断されていた.75歳時,呼吸困難を自覚し当院入院,胸部CT,血液検査等より肺炎を契機に肺うっ血を発症したと判断し,抗菌薬投与と心不全治療を行い改善した.心エコーにて僧帽弁前尖(A2~3)の逸脱,同部位より中等度の逆流を認めた.MRIにて乳頭筋に遅延造影を認め,サルコイドーシスによる病変が疑われた.乳頭筋のストレイン解析を行ったところ,後乳頭筋の無収縮を認め,後乳頭筋機能不全と診断した.心臓サルコイドーシスにおいて乳頭筋機能不全により僧帽弁逸脱を発症する症例があり,心エコーによるストレイン解析がその診断に有用であると考えられた.

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© 2016 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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