日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
症例報告
漢方薬治療が奏功した全身性サルコイドーシスの一例
杉野 圭史仲村 泰彦鏑木 教平佐野 剛磯部 和順坂本 晋高井 雄二郎奈良 和彦渋谷 和俊本間 栄
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2017 年 37 巻 1_2 号 p. 51-55

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抄録

症例は36歳女性.主訴は乾性咳嗽,労作時息切れ.X-8年頃より左下腿腓骨部に皮下腫瘤を自覚したが放置.X-4年8月に顔面神経麻痺,右眼瞳孔散大が出現し,PSL 40 mg内服により約1 ヶ月で治癒.その後,原因不明の頭痛,難聴,嗅覚異常が出現.X-2年11月頃より乾性咳嗽および軽度の労作時息切れが出現.X-1年4月の健康診断にて胸部異常陰影を指摘され全身精査の結果,全身性サルコイドーシス(肺,副鼻腔,神経,皮膚,肝臓)と診断された.挙児希望およびステロイド恐怖症のため,吸入ステロイドを約1年間使用したが,自覚症状の改善は得られず中止.当科紹介後にご本人の希望で漢方薬(人参養栄湯7.5 g/日,桂枝茯苓丸加薏苡仁9 g/日)を開始したところ,開始4 ヶ月後より咳嗽および労作時の息切れはほぼ消失,開始6 ヶ月後には,胸部画像所見,呼吸機能検査所見の改善を認めた.その後も本治療を継続し,現在まで3年間にわたり病状は安定しており,再燃は認めていない.

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© 2017 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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