日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
右外転神経麻痺による複視で発症したサルコイドーシスの一例
川述 剛士桑原 聖和井坂 由莉岡谷 匡佐藤 峻田中 萌田中 健介福岡 みずき河野 千代子氷室 圭一山田 嘉仁
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2018 年 38 巻 1_2 号 p. 76-80

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抄録

 症例は53歳男性,200X年5月頃から軽度の乾性咳嗽を,9月初旬より複視と頭痛を自覚したため当院神経内科を受診し,右外転神経麻痺を指摘された.右外転神経麻痺をきたす他疾患が否定的で,胸部CTで縦隔リンパ節の腫大を認めたことから,サルコイドーシスが疑われ当科紹介となった. 当院受診後に霧視も自覚するようになり,ぶどう膜炎も併存していた.経気管支肺生検(TBLB)で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,血清ACE活性高値,ツベルクリン反応陰性,Gallium-67 citrateシンチグラフィにおける肺門・縦隔リンパ節への異常集積,気管支肺胞洗浄液でのCD4/CD8比高値と合わせて,サルコイドーシスの組織診断群と診断した.治療は,経口プレドニゾロン0.5 mg/kgで開始し,治療約2 ヶ月で右外転神経麻痺・複視は消失した.神経サルコイドーシスとしては比較的稀な右外転神経の単独麻痺を呈した貴重な症例であり,文献的考察を交えて報告する.

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© 2018 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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