サルコイドーシス(サ症)は全身性肉芽腫性疾患である.多くは同時にあるいは異時的に複数の臓器で病変が認められるが,単一臓器にしか病変が認められない場合には,当該臓器名を冠した限局性サルコイドーシスと呼ばれる.考え方はすべての臓器・組織に共通しているが,臨床的には神経限局性サルコイドーシスと心臓限局性サルコイドーシスのみが使用され論文として報告されている.神経限局性サ症は治療効果と予後がよいので,組織生検で診断をつけることで確定診断をする.心臓限局性サ症の診断については,わが国の基準は海外での isolated sarcoidosis( BHLのある例を含む)よりも厳しく,病変が心臓のみに限局している例をさしている. アクネ菌病因説に基づいた場合に,臓器限局性サ症をどのように考えることができるのか,解説した.