日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
ISSN-L : 1883-1273
解説
臓器限局性サルコイドーシス
オーバービューと病因論的考察
山口 哲生
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 41 巻 1_2 号 p. 49-51

詳細
抄録

サルコイドーシス(サ症)は全身性肉芽腫性疾患である.多くは同時にあるいは異時的に複数の臓器で病変が認められるが,単一臓器にしか病変が認められない場合には,当該臓器名を冠した限局性サルコイドーシスと呼ばれる.考え方はすべての臓器・組織に共通しているが,臨床的には神経限局性サルコイドーシスと心臓限局性サルコイドーシスのみが使用され論文として報告されている.神経限局性サ症は治療効果と予後がよいので,組織生検で診断をつけることで確定診断をする.心臓限局性サ症の診断については,わが国の基準は海外での isolated sarcoidosis( BHLのある例を含む)よりも厳しく,病変が心臓のみに限局している例をさしている. アクネ菌病因説に基づいた場合に,臓器限局性サ症をどのように考えることができるのか,解説した.

著者関連情報
© 2021 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
前の記事 次の記事
feedback
Top