日本ペインクリニック学会誌
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症例
腰下肢痛に対する神経ブロック療法中に発症した化膿性脊椎炎の1例
佐伯 美奈子上島 賢哉小川 賢一山田 芳嗣
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2008 年 15 巻 1 号 p. 21-25

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抄録

硬膜外カテーテルを留置しなかったにもかかわらず,腰下肢痛に対する神経ブロック療法中に発症した化膿性脊椎炎を経験したので報告する.症例は78歳の女性で,腰部脊柱管狭窄症で椎弓切除術を施行されたが,腰・下肢痛が持続していたので,神経ブロックを受けていた.腰・下肢痛が増悪したので入院下に腰部のトリガーポイント注射を連日行い,入院10日目に左側のL5の神経根ブロックを,16日目に両側のL4/5,L5/6(本症例は仙骨の腰椎化があった)の椎間関節ブロックを施行した.入院19日目に38.1度の発熱があり,白血球数とCRPが上昇した.MRI,CTでL3椎体の化膿性脊椎炎が示唆され,血液培養でMRSAが検出された.抗生剤を投与し,保存的治療を継続し,発熱より約1年後に,炎症所見は改善し,腰部のMRIでも炎症を示唆する所見は消失した.

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© 2008 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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